九州大の産学官連携セミナー「地域政策デザインスクール」の政策研究発表会が2月27日、基山町役場などであった。社会人や大学院生ら受講生が、福岡県と佐賀県の5市町村を対象に地域特性や政策課題を踏まえた新たな地域活性化策をとりまとめ、各首長に提言した。
5市町村は、基山町のほか、福岡県の飯塚市、みやま市、那珂川市、東峰村。発表会は各市町村をオンラインで結んで開催した。各市町村は人口減少や高齢化などの地域課題を抱えており、関係者は発表に聞き入った。
このうち、基山町に関しては、高齢化が進む住宅地「けやき台」に着目。スーパーや総合病院などが団地内になく、買い物弱者、交通弱者への対応が必要と指摘、さまざまな相談事に対応する「まちのコンシェルジュ」の導入を提案した。その上で、けやき台を中心に活動するシニア層の地域おこしグループ「SGK基山」を「コンシェルジュにふさわしい」とした。
提言を受けた基山町の松田一也町長は「町の考えとリンクしている部分もあるし、移動販売車など新たな提案も受けた。取り組みをけやき台だけでなく、町全体に広げていければ」と話した。(瀬戸健太郎)