福岡県太宰府市で2019年10月、高畑瑠美さん=当時(36)=が暴行されて死亡した事件で、遺族から第三者による再調査の要望を受けている佐賀県公安委員会の安永恵子委員長は2日、県議会一般質問で答弁し、今後の事件の対応について「公安委員会の権限として、できる限りのことは尽くしたと考えている」と述べ、再調査に否定的な見方を示した。
遺族側の要望を受け、県公安委は2月18日付で、県警に対して相談態勢の見直しを提言している。井上祐輔議員(共産)の一般質問に答え、事件の受け止めに関し「県警の対応について、親族から疑念の声が寄せられる状況になったのは残念」と述べた。
鳥栖署の対応については「被害者の女性の生命・身体に対する危険が及ぶことを認識することや、親族の被害について直ちに事件化の判断に至ることは難しかったと考えられる」と答え、これまでの県警の説明と同様の見方を示した。
同じく事件に関する見解を求められた県警の松下徹本部長は「一連の申し出内容からは、被害者の女性に直ちに危害が及ぶ可能性は認められなかった」と述べ、これまでと変わらない認識を示した。(松岡蒼大)
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