きょう3月3日は語呂合わせで「耳の日」。難聴など見た目では気づきにくい聴覚障害への理解を深める日だ◆ヘレン・ケラー(1880~1968年)は生後19カ月の時、病気で聴覚と視覚を失った。「見えない」「聞こえない」「話せない」の三重苦を克服できたのは家庭教師アン・サリバン先生の教えがあったからだ。サリバン先生はある日、ヘレンの片手に冷たい水を流し、もう片方の手に「water」とつづった。ヘレンは冷たい水に「water」という名前があることに気づく。ヘレンが言葉を覚えた場面として知られる◆ヘレンは後に発声法を習得し、話せるようになるが、長い間、手のひらに文字を書き合うことでコミュニケーションをとっていた。大学を卒業し、福祉にも貢献した生涯は偉大としか言いようがない◆電話の発明者として知られ、聴覚障害者への教育家でもあったグラハム・ベル(1847~1922年)はヘレンとサリバン先生をつなぐきっかけをつくっている。「奇跡の人」と呼ばれるヘレンも、偶然のようで必然に思える出会いに支えられた◆健常、健康な体で生まれることは決して当たり前ではなく、感謝が必要だ。視覚、聴覚が健全でも、見逃したり、聞き逃したりすることは多い。大切なのは耳に目と心を合わせ、「聴く」ことかもしれない。(義)

下記のボタンを押すと、AIが読み上げる有明抄を聞くことができます。

このエントリーをはてなブックマークに追加