高校生に向け、看護師やフットケアのやりがいについて話す井上祐子さん=唐津市の唐津西高校

 唐津市の唐津西高は、キャリア教育の一環として足のケアに30年以上関わる独立看護師の井上祐子さん(55)=佐賀市=を招いて講話を開いた。足に疾患のある人たちをサポートする仕事のやりがいを語り、生徒は真剣に聞き入っていた。

 佐賀駅前にフットケア専門店をかまえ、県内で訪問看護に取り組む井上さん。足への症状が出て切断するケースもある糖尿病や人工透析患者などへのケアに取り組んでいる。

 透析室の看護師として足を切断する間際の患者へ話を聞いた経験を紹介し、「患者さんの声を受け止めて『大丈夫だよ』と横にいるだけでも立ち直りにつながり、電動車いすなど歩き方のスタイルを変えてくれる。それが看護師の役割で、立ち上がるための一歩を支えている」と語った。

 足のケアや病気などを学ぶ任意団体「TEAMフットサポーター,S」の副代表も務めている。立ち上げのきっかけは、2年間寝たきり生活で「目が開けられず、なんとか立つことができる状況」だった女子高生との出会い。「作成した靴の中敷きに女の子が足を乗せた瞬間、にこっと笑った。家族がこんな笑顔を見たの何年ぶりと言っていた」と話し、「また歩きたい、かわいい靴を履いて友だちと遊べるようになる」と希望を抱いた高校生の思いを紹介した。井上さんは「どんな状況でも歩く希望を失わせてはいけないと感じた」とフットケアを続ける思いを伝えた。

 講話は2月22日に開かれ、1年生158人が聴講した。看護師を目指す井上花林さんは「かわいい靴を履きたい思いなど精神的な部分も、元気であるためには重要だと感じた。医療だけでなく人の心に寄り添える看護師になりたい」と話した。(横田千晶)

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