災害援護資金の返済状況

 東日本大震災の被災者の生活再建に向けて貸し付けられた災害援護資金を巡り、返済期日を迎えた世帯の約4割が滞納していることが26日、共同通信のアンケートで分かった。津波や東京電力福島第1原発事故の被害が大きい岩手、宮城、福島3県の42市町村に聞いた。延べ約8800世帯が滞納し総額は約33億円。高齢化による収入減などが要因だ。間もなく震災から10年だが、生活再建が遠い被災者もいる。

 災害援護資金は、市区町村を窓口に、国などが原資を出して1世帯当たり最大350万円を貸し付ける制度。所得制限があり、1世帯が複数回借りるケースもある。

 42市町村から2020年9月~21年2月時点での回答を得た。うち災害援護資金の貸し付け実績があるのは34市町村で延べ計約2万5千世帯、総額約446億円。この9割近い約2万2千世帯が返済期日を迎えている。

 滞納の理由は高齢化のほか、「失職や転職による収入減少」(仙台市)、「本人や家族の体調悪化」(福島県楢葉町)などが挙がる。新型コロナウイルスの感染拡大による収入減を指摘する声もあった。

 計画通りの返済が難しい場合、月千~数万円程度を支払う「少額償還」も可能。ただ、アンケートでは約3千世帯の少額償還のうち、半数近い約1400世帯が滞納していることも判明した。少ない額でも返済が難しいほど、生活が追い込まれている被災者が一定程度いる現状が分かる。

 自治体にとっても、回収には人手や経費がかかり負担が大きい。国は19年、債権管理が長期化した阪神大震災時の貸し付けに限り、返済免除の対象をこれまでの死亡や重度障害に加え、年間所得150万円未満などの要件を満たす低所得者にも拡大。東日本大震災の被災地でも「阪神大震災と同じ要件に拡大する必要がある」(宮城県名取市)など、42市町村の6割超が免除要件を広げるよう求めた。

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