電気事業連合会(電事連)は26日、海外に保管しているプルトニウムを、電力各社が融通し合って利用を進める検討をしていることを明らかにした。プルサーマルを実施する原発は九州電力玄海原発3号機(東松浦郡玄海町)など4基にとどまる中、業界が連携して消費を進めることになる。新たなプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料がなかった九電は、海外からの調達が可能になる。

 電力各社は、英国とフランスに再処理を委託しており、プルトニウムを英国に約21トン、フランスに約15トン保有している。このうちフランスではMOX燃料への加工ができるが、加工工場が閉鎖した英国ではできない。プルサーマルが進まない中で、フランス保管分が減っているのは九電や四国電力などに限られる。

 検討案では、九電などプルサーマルを実施している事業者の英国保管分を、プルサーマル未実施の事業者のフランス保管分と帳簿上で置き換えることを想定。業界全体ではフランス保管分の消費促進となり、九電などは手つかずだった英国保管分を減らすことができるようになる。事業者間の海外保管分の融通は、2025年度以降の実施を目指しているという。

 九電は現在、フランスに167キロ、英国に1540キロを保管している。フランス保管分は、建設中で未完成の電源開発大間原発(青森県)に譲渡する予定で、MOX燃料の新規調達は国内の加工工場稼働を待つしかなかった。

 九電は19年までに、フランスで製造したMOX燃料36体全てが装塡そうてん済み。この日発表したプルトニウム利用計画では、年間0・5トンの利用目安を示す一方で、新たなMOX燃料の調達が未定のため、21~23年度の利用はゼロとした。

 また電事連は同日、プルサーマルの実施計画を改定した。改定は東京電力福島第1原発事故前の2010年以来。東電は実施する原発の提示を見送り、核燃料サイクル政策の行き詰まりが鮮明になった。(大橋諒)

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