多久茂文公が建立した多久聖廟。文教の里のシンボル的存在となっている=多久市多久町

 那覇市の「孔子廟(こうしびょう)」を巡る政教分離訴訟で、市による公有地の無償提供を違憲とした24日の最高裁大法廷判決。国の重要文化財「多久聖廟(せいびょう)」がある多久市は、判決の影響を見極めつつも、創建の目的や市民の関わりなどから宗教性を否定する。

 多久市によると、孔子像を祭る「多久聖廟」は、土地は文化庁、建物は市が所有し、公益財団法人「孔子の里」に管理を委託している。20年度は管理費や法人の事業補助に計約1200万円を支出した。孔子像に供え物をささげる年2回の伝統行事は、県の無形文化財に指定されている。

 横尾俊彦市長は多久聖廟について「学問を重んじ、文化を継承する歴史遺産」と説明。判決の影響については、法人の役員が各種団体の代表者ら幅広い市民で構成されていることなどを挙げた上で「創建の目的や性格、受け継がれてきた経緯も沖縄のケースとは異なる」との見方を示した。

 白木聖廟がある杵島郡江北町は「土地は町有地ではない」と説明した。(谷口大輔、小野靖久)

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