災害時、応急仮設住宅が足りるか

 大規模災害時に建設したり、民間住宅を借り上げたりして被災者に提供する応急仮設住宅の戸数が足りているか「分からない」とする自治体が20都府県に上ることが23日、共同通信のアンケートで分かった。3月で発生10年となる東日本大震災では建設用地の確保や戸数の精査が難航。国は事前準備を促すが、災害発生前に住宅被害の規模を想定するのは難しいと考える自治体が多かった。

 アンケートは昨年12月~今年1月に実施。最も大きな住宅被害を想定する災害を念頭に尋ねた。

 「分からない」と回答したのは栃木や長野、岡山など20都府県。「被害の状況により変わってくる」(徳島)など、事前の想定ができないとする自治体が多かった。東京都は「被災の状況を踏まえて提供する」とした。

 必要戸数を推計している秋田県は「アパートなどの民間住宅が少なく、十分確保できるか分からない」と答えた。広島県は「計算では足りるが、被災状況により建設候補地とのミスマッチが生じる恐れがある」とした。

 一方、北海道、石川、静岡、佐賀などの22道県は「足りる」と回答。愛知県は「建設候補地が浸水想定区域外にあることを確認した上で、普段から関係団体と調整している」と説明する。

 岐阜、高知など5県は「足りない」と答えた。青森県は「マニュアルに基づいて計算したところ建設できる公有地が足りない」と説明した。

 仮設住宅を巡っては、大震災の教訓から国土交通省が2012年、マニュアルを策定。地域ごとの被害想定に基づき、前もって必要戸数を推計し、併せて建設用地の確保、公営住宅や民間賃貸住宅の空室の把握などを進めるよう求めていた。

 仮設住宅に詳しい専修大の佐藤慶一教授(都市防災)は「想定される南海トラフ巨大地震などの大規模災害は、その場しのぎでは対応できない。私有地を含めた用地確保、地元建設業者との協議、借り上げ型にスムーズに入居するための準備など、平時にできることは多い」と強調した。(共同)

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