自宅横に工房を構えている浦川さん

 300年前、その技術は中央アジアからトルコ、中国を経て佐賀で独自な進化を遂げ、鍋島緞通(だんつう)となった。優美な織物は鍋島藩から幕府へ献上品として名をはせた。

 明治になって一般への販売が開始され、明治6年のウイーン万博で世界的に知られるようになった。大正時代、鍋島緞通製造販売を家業とする会社が設立され、緞通は広がりを見せた。

 浦川さんはお茶席で緞通に触れ、歯科衛生士の仕事を辞めて久留米の会社に入社。手織りの技術を学んだ。

 2015年、自宅横に「工房日々楽」を開き、手織り職人として歩んでいる。一畳(95センチ×191センチ)が基本の形で、完成まで2カ月間、気の遠くなるような時間が掛かる。デザインも伝統柄から創作柄まで幅広い。

 「10年、20年使っていただくことで味わいが出てきます。綿100%ですので、湿度が高い日本で最適です。暮らしの中で使ってください」と言われた言葉が心に残った。(地域リポーター・半田幸子=小城市)

このエントリーをはてなブックマークに追加