科学を駆使した防災が先行する現状を指摘し、住民が防災意識を持つ「災害文化」を育てる必要性を説いた河田惠昭氏=唐津市の唐津シーサイドホテル

 佐賀新聞社が主催する唐津政経懇話会が19日、唐津市の唐津シーサイドホテルで開かれた。関西大社会安全学部特任教授の河田惠昭氏が「多発する災害の教訓」と題して講演。地球温暖化の影響で、同じ災害でも規模や性質が変わっていると指摘し、これまでの防災対策の見直しや市民が主体的に防災へ関わる必要性を訴えた。

 河田氏は近年の豪雨の状況について、積乱雲が連続発生する「線状降水帯」が増えたと説明。短時間に多くの雨が降るため、川の増水で堤防が壊れ、市街地に水があふれる従来の大雨と違い、堤防が決壊する前に街中で越流して大きい被害につながっているという。

 線状降水帯の予測については「今の気象庁のレーダーではどこで降水帯が形成されるか、どこで大雨が降るかが分からない。人ごとではなく自分の所でも降るかもしれないと思わないといけない」と防災への意識を持つよう呼び掛けた。

 緊急地震速報などハード面の防災が進む一方で、消防団など地域のコミュニティーが衰退している状況も指摘した。2万人以上が亡くなった東日本大震災では、避難する判断の遅れが被害につながったとし「詳細な情報が出ても『逃げなくてもいい』と思ってしまう部分を、どうにかしないといけない」と問題提起した。(横田千晶)

 (オピニオン面で後日、講演要旨を採録します)

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