国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、開門を命じた確定判決の効力について争う請求異議訴訟の差し戻し控訴審の第5回口頭弁論が19日、福岡高裁(岩木宰裁判長)であった。争点になっている諫早湾周辺の漁獲量に関し、潮受け堤防排水門の開門を求める漁業者側は「増加傾向に転じた事実はない」と指摘した。

 国側の「漁獲量が増加傾向にある」との主張に対し、漁業者側は魚類の漁獲量の推移を示して「確定判決後も漁獲量が低迷したままなのは明らか。国の主張の根拠となる漁獲物は、確定判決が判断対象にしたものではない」と反論した。また、シバエビの漁獲量が増加している状況を挙げ「シバエビは単価的に質が低く、増加は魚類の漁業被害が深刻化しているために生じている」と強調した。

 口頭弁論終了後に非公開の進行協議があった。漁業者側によると、訴訟の今後の進行について裁判所が意見聴取し、漁業者側は「和解による解決しかない」などとして和解協議を求めたという。(山本礼史)

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