佐賀市内の精神科病院に措置入院中だった60代男性が2014年、別の患者から暴行されて亡くなったのは、措置入院を決定した佐賀県に責任があったとして、遺族が県に約3280万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、佐賀地裁は19日、原告の請求を棄却した。

 判決などによると、男性は14年9月、措置入院していた40代の男からボールペンで首を刺されるなどして死亡した。男は同月、殺人未遂の疑いで逮捕。佐賀地検は同年10月、刑事責任を問えないとして不起訴処分にしていた。

 訴訟で原告側は、男が事件の約1年前、別の患者にボールペンを使った暴行事件を起こしており「医師は危険を十分に予見でき、加害行為を防止する注意義務を怠った」と主張。被告側は「前の事件以降、同室患者とのトラブルや不満、夜間の異常行動はなかった」などと反論していた。

 達野ゆき裁判長は判決理由で「被害患者と同室になって以降、暴力行為に発展するような被害妄想に基づく言動はみられず、事前に把握する機会があったとは認められない」などと結論づけた。

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