10年前の東日本大震災を思い出し、その余震ということに不安を覚えた人も多いだろう。福島県と宮城県南部で震度6強を観測した地震が13日に起きた。幸い津波は来なかったが、10県で150人以上が負傷し、一部区間でストップした東北新幹線の全線運転再開まで10日前後かかるという。

 大震災以降、何度も指摘されてきたが、この国は災害大国である。地震に加え台風や豪雨による水害、噴火などあらゆる自然災害がいつ起きても不思議はない。この地震への対応状況を検証し、これまでの対策を総点検して次に備えるべきだ。

 まず、揺れでどれだけの人が津波を想定し避難を準備したかだ。政府の地震調査委員会の記者会見では、震源がもう少し浅く地震規模が大きければ大きな津波が発生した可能性があったと指摘されている。

 大きな揺れがあれば、津波を恐れすぐに避難を始める、避難する人が多ければそれだけ被害を減らせることを東日本大震災で学んだはずである。

 南海トラフ巨大地震など地震による津波で浸水する可能性がある地域に住む全ての人は、津波は来ないと安易には判断せず、まずは逃げることを考えて行動することを確認しておきたい。

 JR東日本は東日本大震災後、東北・上越の両新幹線で電柱や高架橋などの耐震補強工事を進めてきた。今回の地震で損傷した電柱は未施工だったという。

 2004年の新潟県中越地震では走行中の新幹線が脱線、16年の熊本地震でも新幹線の回送列車が脱線している。経営上の判断もあるだろうが、高速運転する新幹線の安全確保は最優先すべきである。耐震補強を急ぐことを強く要請したい。

 高速道路でも大規模な土砂崩れがあった。地域を結ぶ動脈が災害に遭って人や物の動きが止まると社会や経済に与える影響は甚大だ。新幹線が止まっている間はバスや航空機が代替の役割を担う。長期の影響を避けるため、これら交通ネットワークを整備し多重性を確保することが重要だ。

 この地震では大型火力発電所が相次いで停止し、首都圏も含む広域で大規模な停電が起きた。停止の原因と今後の対応を検討すべきだ。18年の北海道地震でも大型火力のトラブルで全域停電を招いている。

 集中的に発電し送電線を使って供給する現在の電力システムは、災害が起きたときに停電しやすく影響も大きいという脆弱ぜいじゃく性が指摘されている。

 バイオマスや風力など地元資源を使い地域ごとに小規模な電力供給システムをつくれば災害への備えにもなる。国が掲げる脱炭素社会にも役立つだけに、導入に向けた本格的な検討が待たれる。

 避難所は新型コロナウイルス禍での運営となった。3密を避けるため自治体は、世帯ごとにテントを用意し、避難者には消毒、検温をお願いするなどを国の指導に沿った方法で、コロナとの複合災害を避けた。

 避難者が少なかったこともあり、うまく対応できた面もあるだろう。もっと被災者が多いケースも想定し、同様の運営ができるか検証し改善点を探るよう求めたい。

 揺れで屋根が損傷し、地震後の雨で雨漏りをする住宅も多かった。屋根を覆うブルーシートについて、自治体がどれぐらい備蓄すべきなのかも検討が必要だ。(共同通信・諏訪雄三)

このエントリーをはてなブックマークに追加