日本国憲法や子どもの権利への理解を深めるため、佐賀県教育委員会などが作成した小学6年向けの人権学習教材について、県教委は「誤解を与えかねない」として、内容の一部を削除する改訂を進めている。改訂版は本年度中に各校に配布される予定。

 教材は小学6年向けの「子どもにも権利がある」で、道徳の授業で使うことを想定している。県教委や教員らで作成し、昨年6月ごろから各校に配布された。

 削除されたのはいずれも日本国憲法が制定される前の様子を例示したもので、「教育を受ける権利」や「就職の自由」などの項目を含め計7ページで、一部修正された箇所もある。「結婚の自由」に関する項目では「ほとんど多くは、親が決めた人と結婚するしかありませんでした」などと表記していた。昨年6月の定例県議会一般質問で中村圭一議員(自民)が「お見合い結婚をした人などへの偏見が生まれる恐れがある」などと指摘していた。

 こうしたことを受け、県教委は昨年9月から今年1月にかけて4回、改訂の協議を重ねた。県教委の人権・同和教育室は「権利があった時代と、なかった時代を比較して丁寧な説明をするつもりだった」と話している。一部削除を受け、既に掲載している「子どもの権利条約」をより強調する形にすると説明している。

 県教委は、LGBTなど性的少数者への学習のために作成した中学1年向けの人権学習教材についても、説明が不十分だったとして事前学習資料を作成し、各中学校へ配布する対応を取っている。(岩本大志)

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