セミナーでは、会社に籍を残したまま出向する在籍出向の事例などが発表された=佐賀市のアバンセ

 会社に籍を残したまま他の会社で働く「在籍出向」について理解を深めるセミナーが12日、佐賀市で開かれた。在籍出向を取り入れた事業者による事例紹介などがあり、参加者がその利点などを学んだ。

 コロナ禍で雇用環境が不安定になる中、連携協定を結んでいる佐賀県と産業雇用安定センター、佐賀労働局の3者が主催し、約20人が参加した。

 事例紹介では、伊万里市に事業所を構える半導体用シリコンウエハー大手のSUMCOの担当者が在籍出向を導入した経緯などを説明した。きっかけは2008年のリーマンショックによる不況で、2年8カ月の間に延べ約300人が自動車や建機メーカーなどに出向。一部で出向先への転職もあったが、「出向先にすれば身元が明確で安心につながる」「出向先と自社との情報交換の機会になる」と利点を紹介した。

 制度導入に向けては、出向先の職場環境に加え、近隣の食堂や銀行など細かく調べて事前の説明会を開くなど、従業員の不安を取り除く必要性を強調した。

 県産業人材課の鷲﨑和徳課長は「在籍出向などを切り口に労働者の活躍の場を見いだし、雇用の不安をなくしていきたい」と話していた。(中島佑子)

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