窯元のそれぞれの技法や持ち味を生かして作った時計を集めた「武雄やきもの時計展」が、武雄市武雄町の陽光美術館で開かれている。市内の10窯元による味わい深い約20点が並んでいる。
美術館の神谷直子学芸員が「コロナ禍で家で過ごす時間も増えている。暮らしの中でいつも目にする時計を作ってみては」と提案。半数以上の窯元にとって初の制作で、昨年6月から試行錯誤を重ねた。
陶器や磁器、洋や和など多彩な作品を展示している。釉薬(ゆうやく)のきめ細やかな縮れが生む「梅華皮(かいらぎ)」や文様を型押しする技法を用いたり、焼き締めで石のような風合いを感じさせたり。ランプシェードの中に時計を組み込むなど、時計のデザインも生かしながら仕上げている。
「焼く時に縮むので大きさを計算するのが難しかった」「作ることがないのでわくわくした」「振り子時計もあるのでやってみたい」など、作品作りの苦労や感想の言葉も添えている。
3月14日まで。美術館の入館料600円(中学生以下無料)が必要。水曜休館。(小野靖久)
【出品窯元】亀翁窯、雅人工房、康雲窯、宸山窯、東馬窯、つつえ窯、桃林窯、葉月窯、宝寿窯、綿島康浩陶工房