2021年度一般会計当初予算案について説明する山口祥義知事=佐賀県庁

 佐賀県の2021年度当初予算案と20年度2月補正予算案は切れ目なく新型コロナウイルス対策に取り組む、いわば一体編成の「14カ月予算」になった。山口祥義知事が予算案発表会見で示したのは「エール」と「未来」という二つの考え方だった。

 「エール」には医療従事者や福祉施設の職員、保育士など児童関係施設で働く人に1人6万円の支援金を独自で支給する事業を盛り込んだ。「恐らく医療従事者に一律の追加措置をするのは全国で佐賀だけ」「(児童関係施設への支援も)九州ではうちだけ」とアピールした。

 それ以上に説明に力を込めたのが、コロナ対応の臨時交付金を財源にする私立学校で1人1台の学習用パソコンを整備する費用の補助や、実業系の高校でのデジタル化に対応した教育設備の整備事業だった。「未来のため」としたこれらの事業に関し「知事として佐賀の今に責任を負っているが、子どもたちの将来について何ができるか考える県でありたい」とした。

 山口知事の力説の背景には、感染症への差別を戒める啓発事業として提案したものの、県議会がコロナ交付金の使い道などを問題視して取りやめになった「誓いの鐘」設置事業がある。「未来のため」の事業はコロナ禍の今、取り組む意義が厳しく問われてくる。

 山口知事は「さまざまな交付金をどう活用するかというのは大事なこと」とした上で「苦しい今を生きているわれわれが、一部の財源だが、将来に向けてしっかり対応することは、佐賀県の大きな財産になると信じている」と話した。(栗林賢)

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