新型コロナウイルス禍のさなかに編成された佐賀県の2021年度一般会計当初予算案は初めて5千億円台に達し、過去最大となった。「毎日、命と向き合っている」。山口祥義知事は最優先のコロナ対策に920億円を投じる一方、投資的経費も2年連続で1千億円を確保するなど、感染収束後に向けた「将来の布石」を打つことにも強い意欲をにじませる。

 懸念された県税収入の落ち込みは想定より小幅だった。9月の時点で830億円と試算したが、当初予算案には854億円を見込んだ。県内でも飲食店や観光業、関連業界が苦境に立たされているが、大企業が打撃を受けた都市部に比べれば、県税収入の面では一定程度影響を抑えた形だ。

 予算発表の会見で「都道府県によって事業立てや財政運営がここまで違ってくる時代はなかった」と言及した山口知事。感染状況や経済規模が違えば、打つべき施策も違ってくる。「コロナはいつか終わる。『ヨーイ、ドン』という時代が来た時、コロナ対策しかしていなかったというのは、あってはならない」

 反転攻勢に向けて種をまこうとする姿勢を否定はしない。ただ、さまざまな場面で苦しんでいる県民がいる。県民感情を読み取り、かじ取りに理解と協力を得ていく説明責任がかつてないほど問われている。(栗林賢)

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