佐賀県は12日、総額5564億6300万円の2021年度一般会計当初予算案を発表した。前年度当初比で708億8200万円(14・6%)増となり、初めて5千億円を突破して過去最大になった。新型コロナウイルス対策費の膨らみが主な要因だが、SAGAサンライズパークをはじめとする大型事業も計画通り進める。「コロナ対策」と「未来を見据えた構想力」の両立を掲げる積極型の編成になった。

 新型コロナの影響により県税収入は28億3900万円(3・2%)減の854億700万円と見込むが、県は都市圏に比べ、企業業績の低迷は想定よりも少ないとみる。山口祥義知事は会見で、当初予算は2月補正予算と一体的に編成した「新型コロナに立ち向かいながら未来を切り開く予算だ」と強調した。

 最優先のコロナ対策には920億円を盛り込む。打撃を受けた事業者の資金繰りを支援する制度融資が792億円を占めるが、多くは諸収入として年度末に戻る仕組み。ワクチン接種に関するコールセンター設置や検査体制の拡充、入院病床と軽症・無症状者が療養するホテルの確保など感染症対策に126億2千万円を計上した。

 山口県政2期目の折り返しとなる21年度はハード事業に充てる投資的経費が想定通り2年連続で1千億円を超える。「必要なものはやる」(山口知事)という積極型になった。SAGAサンライズパーク整備は中核となるアリーナ建設がピークを迎え、232億円を計上。佐賀牛の繁殖雌牛の種付けから出産までを担う国内最大規模のブリーディングステーション建設に9億7千万円を盛り込む。

 コロナの収束後を見据えて「将来への布石を打つ」とし、小学3年の35人以下の少人数学級を県独自に実現する事業、大隈重信没後100年に合わせた情報発信や交流事業、佐賀大医学部附属病院が取り組む難治性がん患者の遺伝子の変化を調べて治療法を探る「がんゲノム医療」の体制強化などを予算化した。

 歳入では県税のほか、地方譲与税も前年度比49億6500万円(31・2%)減となる。一方、地方交付税は前年度比49億4100万円(3・4%)の増で、コロナ関連の交付金により国庫支出金も86億4500万円(14・1%)増えた。財源調整用基金は72億円を取り崩した。

 臨時財政対策債を含めた借金に当たる県債の発行額は68億5500万円(9・0%)増の828億4700万円で、過去3番目の高水準。県債依存度は14・9%で、年度末の見込み残高は7633億2200万円で過去最大を更新した。県民1人当たりの「借金」は94万4千円になる。山口知事は「現時点で県財政の健全性は維持できている」としている。(栗林賢)

このエントリーをはてなブックマークに追加