佐賀の現状や佐賀におけるシェルターの重要性などについて意見を交わす下津浦公弁護士(左)と谷口仁史氏=佐賀市の県母子寡婦福祉連合会

 虐待などで居場所を失った子どもが安心した生活を送ることを目指す「子どもシェルター」に関するシンポジウムが10日、佐賀市で開かれた。県内では4月に初めてシェルターが開設予定で、登壇者は福祉の視点から「保護しておしまいではない。社会参加、自立まで責任を持って見届ける体制づくりが重要」などと必要性や役割を訴えた。

 厚生労働省によると、2019年度の佐賀県の児童虐待相談件数(速報値)は717件(前年度比366件増)。20年度は9月までで429件だった。

 シンポジウムでは、シェルターを運営するNPO法人「佐賀子ども支援の輪」の下津浦公理事長と、若年者の自立支援などに取り組む認定NPO法人「スチューデント・サポート・フェイス」の谷口仁史代表が登壇した。

 谷口代表は19年度、6万7千件以上の相談を受けたとし、家庭内暴力などが続いていた実例を紹介。その上で「佐賀にシェルターがあれば、こうなる前にさまざまな手が打てたはず。SOSが出たときに支えられる仕組みの必要性を感じている」と話した。

 行政や福祉関係者など県内外から約100人が聴講した。16年から沖縄県でシェルターを運営する弁護士の横江崇氏の基調講演もあり「子どものSOSをいかに大人が拾うか、それを意識することが大切」などと述べた。

 子どもシェルターは児童福祉法に基づく施設で、児童相談所(児相)から委託を受けたり、窓口に助けを求めてきたりした若者を保護し、衣食住を提供する。県内では4月、佐賀市に開設する。(小部亮介)

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