事業所で働く消防団員が増えるなか、消防庁は、勤務時間中の消防団活動への便宜や従業員の入団促進を狙いに「消防団協力事業所表示制度」を設け、佐賀県内でも11の事業所が表示証の交付を受けています。この中から3事業所を紹介しており、最終回はフタバ九州伊万里工場(伊万里市)です。

消防庁の認定、全国2番目 勤務中に消防団員の出動OK

伊万里工場の玄関に掲示された消防庁と伊万里市の消防団協力事業所表示。右から池田本社総務部長、岩永里志伊万里工場総務課係長、本社総務部の三浦亘太さん

 消防庁の消防団協力事業所表示制度は2007年に始まり、その年に社名変更前の「フタバ伊万里」として認定を受けました。しかも「交付番号2」、全国で2番目でした。池田博幸総務部長は「認定当時の詳細は分かりませんが、地元に何か貢献したいと思ってのことだったと思います。消防庁の認定が全国2番目だったとは知りませんでした」と話します。フタバ九州は、本社がある直方工場(福岡県直方市)も認定を受けており、社を挙げて消防団員を支援しています。

 伊万里工場の従業員は243人、うち消防団員は39人という多さです。伊万里市をはじめ武雄市、唐津市などの地元消防団に所属しており、仕事と消防団の両方で頑張っています。

 消防団員である社員は、勤務中に火災や水害などが起こって出動を要請するメールが来ると、仕事を中断、中止して現場に駆けつけることが認められています。岩永里志総務課係長は「実際に社員が出動するのはそう多くはなく、年に1回ほどです」と説明します。

 伊万里市消防団に所属する犬塚幸樹さんは、3年ほど前に行方不明者の捜索のために出動しました。「仕事中に出動したのはこれまででその1回だけですが、火災や行方不明者の捜索といった一刻を争う場合に出動できるのは、本当にありがたいですね。会社にとっても、地域への貢献という意味から意義深いものだと思います」と話します。

自衛消防隊の動力ポンプ積載車と消防団員の(左から)藤木大作さん、犬塚さん、松林秀樹さん

 伊万里工場では自動車用のマフラーなどの部品を製造しています。火花が出る溶接の工程があるため、防火には力を入れており、万一の火災に備えて自衛消防隊を組織し、動力ポンプ積載車1台を配備しています。隊員は消防団員を中心にした5人で構成し、9月の防災の日に合わせて消火訓練を行い、ポンプの点検も定期的にしています。

 自身も地元伊万里市大川町の消防団員だった池田部長は「消防団員は日々消火の訓練をしているのでポンプの操作に慣れています。何より火災の出動経験もあるので、いざという場合の消火活動で頼りになると思います」と信頼を寄せます。

 


株式会社フタバ九州伊万里工場

1991年4月株式会社フタバ伊万里設立、92年11月操業開始。フタバ産業のグループ企業として、自動車のマフラー、ピラー、インパネリンフォースなどの部品を製造。2012年にフタバ九州に社名変更、15年に本社機能を直方工場に移転した。伊万里市大川町。

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