全国でも有数の麦の産地である佐賀平野はこの時期、爽やかな緑色に覆われた畑が目立つ。好天に恵まれた9日、佐賀市大和町の農地では、麦踏みに励む農家の姿が見られた。
麦踏みは、霜柱などによる根の浮き上がりを防ぎ、生育を促す効果があるとされる。3月上旬にかけて3、4回踏むという男性(71)は「踏まれるとしっかり育つ。人間と同じよ」と笑みをこぼした。
県農産課によると、県内の2020年産麦作付面積は2万1200ヘクタール。JAさがでは近年、焼酎の原料になる大粒大麦の需要減を受け、組合員に小麦への転換を薦めているという。(志垣直哉)