飲食店への時短営業要請が解除された初日、訪れた客と談笑する藤吉大輔さん=8日夜、佐賀市愛敬町の「焼きとり とらさん」

 新型コロナウイルスの感染対策で飲食店などに出されていた佐賀県の時短営業要請が解除された8日、県内の繁華街には明かりが戻りだした。店主らからは「ようやく時間を気にせず飲んでもらえる」と歓迎する声が聞かれる一方、「すぐには元の状態に戻らない」と不安も漏れた。

 週明け月曜からの再スタート。定休の店もあり、佐賀市の中心街では客足の回復に時間がかかるとみて、週半ばまで休業することを伝える張り紙をした店もあった。

 「今日から『お酒はあと1時間』って言わんでよかよ」「待ち遠しかったー」。同市愛敬町の「焼きとり とらさん」には午後6時の開店と同時に客が訪れ、店主の藤吉安代さん(72)が笑顔で迎え入れた。酒類の提供は午後7時までだったこともあり、安代さんは「気持ちよく飲んでいるのに、すぐ『終わりです』と言うのは切なかった」と18日間を振り返った。

 時短中も週に1回は利用したという常連客の建設会社社員の男性(41)=神埼市=は「焼き鳥を食べるのはここだけと決めている。長く続けてもらわないと困るから」とジョッキを傾けた。

 安代さんとともに店を切り盛りする息子の大輔さん(48)は「おかげさまで時短中もお客さんがゼロの日はなかった。改めて常連客のありがたみを感じた」と感謝し、「完全には元に戻らないだろうけど来てくれる人を精いっぱいもてなしたい」と前を向いた。

 午後8時以降の営業がメインのラウンジやクラブなど接待を伴う店は期間中、多くが休業した。同市白山のラウンジを経営する女性(30)は8日から通常の営業を再開したが、出勤するスタッフの数は半減させた。「福岡県は緊急事態宣言が延長されている。夜に街を歩く人の数も少ないままだし、しばらくは様子見ですね」と話した。(大橋諒)

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