新型コロナワクチン対策室の表示を貼り出す職員=5日、三養基郡みやき町庁舎

集団接種の会場として使われるみやき町コミュニティーセンターこすもす館=みやき町東尾

新型コロナワクチン接種について協議する末安伸之町長(左)=みやき町庁舎

 新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、政府が15日にも正式承認する見通しになった。4月1日以降、65歳以上の高齢者を対象に接種を開始する構想だが、実務を担う佐賀県内市町に対し、国からの詳しいスケジュールは示されないまま。3日にワクチン業務を担当する対策室を立ち上げた三養基郡みやき町は「国の指示を待っていたら遅れる」と、各医療機関での個別接種を調整し、併用する集団接種の送迎サービスや、予約を受け付けるコールセンターの計画を進める。準備状況や課題を聞いた。

 みやき町は人口約2万5千人で、接種対象の65歳以上の高齢者は約9千人、64歳以下から16歳以上が約1万3千人。65歳以上には3月中旬以降、64歳以下には4月以降に接種券を発送する計画になっている。

 町はインフルエンザワクチンの接種状況から、接種率は約7割と見込む。2月10日開会予定の臨時議会に関連予算案を提出する。

 接種は町内医療機関での対応と集団接種の2本立てで進める予定だ。ワクチン数に限りがあることと、医療機関の一般診療の妨げにならないように、接種は完全予約制にする。予約は町が一元的に管理する。

 町健康増進課の佐藤圭一郎課長は「対象者の体調やアレルギーなどを尋ねる問診に時間が掛かれば、スムーズな接種は難しい」と指摘し、「かかりつけ医にまず相談してもらうことで、時間の短縮と安心感の醸成を図る」と、個別接種を呼び掛けることにしている。町内の16医療機関への説明と協力要請を急いでいる。

 集団接種の会場は町コミュニティーセンターこすもす館を予定する。地域の公民館での実施も検討したが、「密」を避ける広さがあり、空調も整っているとして選定した。移動手段がない人に向けては送迎サービスを計画している。

 接種に関し、町民からさまざまな疑問が寄せられることが想定されるため、6人体制のコールセンターを3月初めに設置する予定で、質問に回答しつつ、接種の予約も受け付ける。

 佐藤課長は「ワクチンが配布される時期や数量が不透明で、計画が立てづらい」とこぼしながらも「接種が遅れないように、今できることを進めていく」と話す。集団接種に協力する医療従事者への手当については「市町でばらつきがあると不公平感につながる」と指摘し「国や県で統一できないか」と要望する。

 末安伸之町長は「接種には助走期間が必要。国の指示が出てから助走していては接種が遅れるだけ」と強調する。医療機関との連携を重視し、対策室メンバーの町地域医療推進政策顧問の野瀬大補医師が中心になり、鳥栖三養基医師会と協議を重ねている。野瀬医師は「海外のケースを参考にするより、医師会が機能する日本型の方式をつくり上げたい」と、地域の実情に合った体制づくりを目指す。(取材班)

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