高校受験を控えた40年ほど前のこの時期、姉が時々、夜食を作ってくれた。深夜に食べる一膳は満腹感も手伝って、「きょうは勉強した」という気にさせた◆高校時代は夜食を目的に机に向かうようになった。飲んだ後の「締めのラーメン」と同じように夜食も禁断の魅力を備える。そして、イヤホンで聞いていたのは「オールナイトニッポン」などラジオの深夜番組。これを聞きたくて起きていたのかも。睡眠時間を削るなら早起きがいいのに「夜更かし」に流されてしまう。「ながら勉強」だった日々を振り返ると、まさしく「勉強したつもり」で終わっていた◆人の集中力の限界は1時間程度といわれる。中学校が50分授業で10分休みを挟むのは理にかなっている。自宅でもやれるはず。「だらだらの3時間」より「全集中の1時間」を意識してみよう◆きのう4日は県立高校の特別選抜だった。高校生は私立大の入試が本格化する。重圧と闘いながら多くの受験生が頑張っているだろう◆勉強に限らず、目的と手段が入れ替わることは多い。「何のために勉強するのか」と問われた時、今なら「誰かを幸せにするため」と答えられそうな気がする。机に向かうだけが勉強ではないが、何かに向かって頑張った日々は無駄にはならない。頑張れ受験生。夜食をとるにしても消化がよいものを。(義)

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