「すこし前に閉店したはずなのに、休業中の張り紙がしてあった。その店にも協力金が支払われるのか」―。佐賀県が営業時間の短縮要請に応じた場合に支払う協力金を巡り「こちら さがS編集局」(こちさが)にこうした声が寄せられた。県は誓約書の提出を求める方針で「虚偽申請は返還の対象」と説明するが、実態の把握には手間がかかりそうだ。

 書き込みの内容を確かめに県中部の店に向かうと、正面には「休業中」の張り紙があった。取材しようとウェブサイトにある電話番号に電話すると、使われていなかった。

 県産業政策課によると、協力金の申請には▽営業時間短縮の状況が分かる店頭の張り紙などを撮影した写真や書類の写し▽酒類の提供時間が分かるメニュー表などの写真や書類の写し▽営業許可証の写し―など10点の書類が必要になる。

 時短要請の開始日に当たる1月21日の前から、コロナ禍の影響で自主的に休業していた場合は「ケースバイケース」(同課)で、具体的な休業期間などを示す文書を提出してもらい一つ一つ対応すると説明する。

 申請内容に虚偽がないことを確認する誓約書も提出してもらう予定で「届け出時点で倒産・廃業していない」という項目があり、申請の手引きには「協力金の不正受給は犯罪です」という注意書きも添えた。違反が分かった場合は、加算金を上乗せしての返還だけでなく、屋号や氏名の公表もあり得るとしている。

 ただ、県内の飲食店などの営業許可は6年間有効で、県生活衛生課は「廃業時に届け出るように指導しているが、後になって分かる場合もある」と明かす。営業許可の期間が残っている状態で廃業した場合、実態把握が困難な側面があり、県産業政策課は「一時的な休業と閉店の違いは難しいが、事業者の話を聞いて審査していく」と話す。

 県弁護士会の奥田律雄弁護士は「完全に閉店したことを告知していた場合は、給付条件を満たしていないことになる」と指摘する。見極めのポイントとして、店舗の賃貸契約を継続しているかどうかなどが考えられると説明し「安易な気持ちで不正申請をしたら詐欺罪に問われる恐れもある」と戒める。(大橋諒)

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