名尾和紙とうれしの茶で開発した防臭シートを入れたマスクを手にする谷口弦さん=佐賀市大和町の名尾手すき和紙ギャラリー

 300年の歴史を持つ肥前名尾和紙の伝統を受け継ぎ、佐賀県無形重要文化財に指定されている「名尾手すき和紙」(佐賀市大和町、谷口祐次郎代表)が、うれしの茶をすき込んだ防臭シートを開発した。呼吸や会話で付いたにおいを緩和できるという。二つの県産品のコラボで、新型コロナウイルスの感染拡大で生じているストレスの軽減につなげる。

 シートの商品名は「AIR BATH(エアバス)」で、名尾地区に自生するカジノキが主原料の和紙に茶葉をすき込んだ。名刺サイズ(8・5センチ×5・5センチ)で、布マスクに挟んで使用する。緑茶の爽やかな香りが1日以上続くという。14枚入り1100円。

 7代目として名尾和紙の技術を受け継ぐ谷口弦さん(30)がコロナ禍で工房を訪れる客が減る中、嗜好(しこう)品である和紙で日常生活に立つものが作れないかと思案した。お香として開発中だったシートに着目。知人から紹介された嬉野市の茶農家「副島園」の副島仁さんの協力を受け、13種類の茶葉で試作を繰り返した。香りが漂いやすい茶葉の分量、手すきの手法を9カ月間研究した。

 専用の布マスク(2200円)は大分県のメーカーに製造を委託した。ベージュとオリーブの布地にピンクなど8色のゴムひもを付けた16種類をそろえている。福岡県のデザイナーの協力も受け、アルミシートで真空パックするなど包装も工夫を凝らす。

 工房に入る前、洋服のセレクトショップ「ジャーナルスタンダード」の販売員だった弦さんは「ファッションに携わった経験も生かし、若い人に使ってもらえるデザインにした。コロナ禍の生活を豊かにしつつ、県産品の魅力を伝えていければ」と語る。

 工房内のギャラリーに加え、佐賀市駅前中央の情報発信拠点「SAGA MADO(サガマド)」で販売する。問い合わせは同ギャラリー、電話0952(63)0334。(大田浩司)

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