中学1年の冬、風邪をひいたのに学校を休みたくなくて登校した。数日後、声のかすれがひどくなり、やむなく病院へ。結局、1週間ほど休んだ。「無理すっけんくさ」。様子を見に来てくれた友達の言葉が耳に残る◆注射嫌いだったせいもあるが、子どもの頃から「軽症で病院に行くと怒られそう」と思っていた。実際は軽症のうちが治りやすい。苦しい思いを我慢したのに、「もっと早く受診してもらったら…」と医師に言われたこともある。早期発見早期治療がみんなにとってよいことだろう◆コロナ対策の緊急事態宣言がきのう2日、10都府県で1カ月間延長されることが決まった。症状がひどくなってから受診しても、治るのに時間がかかるのと、どこか似ている。時短営業に協力する飲食店には苦しい日々を強いるが、「一緒に乗り切ろう」との言葉しか出てこない◆きょう3日は立春。「寒さの中での光の強まりにいちはやく春を感じる節気」と気象エッセイストの倉嶋厚(くらしま・あつし)さんがコラムに書いていた。寒さのどん底でも光に春を見つける感性を持ちたいと思う◆コロナが覆う分厚い雲も、隙間から少し光が差し込んでいるような気がする。新規感染者は減少傾向。気を抜かずに対策をとればコロナと付き合っていける証明だろう。注射の痛みも薬の苦さも、治ると信じるから我慢できる。(義)

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