2度目の輸送実験を終え、関係者と喜ぶ多久市まちづくり協議会のメンバーら=多久市多久町の多久市立病院屋上

処方薬を載せたドローンを操縦、確認する笹川俊一さん(中央)ら=多久市多久町の多久市民病院屋上

2020年10月28日の記事

【2020年10月28日の記事】小型無人機ドローンを使った配送の実証実験が26日、多久市で始まった。買い物支援などの地域ニーズに対応しようと、地元市民による任意団体「多久市まちづくり協議会」が企業の協力を受けて実施し、初回は食材を運ぶ手順を確認した。今後も実験を続けて課題を洗い出し、実用化の可能性を探る。

 

 ドローンの規制緩和を見据え、物流業界などで物資配送の事業化に向けた試みが進んでいる。県内でいち早く取り組む多久市では1月中旬、市街地上空で2度目の配送実験が行われた。市まちづくり協議会が中心になって土地所有者から上空を飛ぶ許可を得て、これまでに3本の飛行ルートを整備。政府が航空法の改正を目指す2022年度中には計10本に増やす計画で、市や地域と協力しながら取り組みを進めている。

 昨年10月に最初の輸送実験を行った西多久町のルートに加え、南多久、多久、北多久の3町をまたぐ2ルートを新たに整備した。2度目の実験は、多久町の市立病院と北多久町のホームセンターを出発点に実施。病院から約2・8キロ離れた山間部の患者宅に風邪薬、ホームセンターから約700メートル南の老人福祉施設に日用品を運んだ。

 薬の配送は協議会と市との連携協定に基づき、市立病院が協力。電話による遠隔診療で処方された薬を患者に届けるという想定で行われ、薬剤師が電話で薬の到着を確認した後、服用の注意点を患者に説明した。

 市街地や150メートル以上の上空を飛ばす場合は国の許可が必要で、安全を確認する補助者を配置するなどの対策が求められる。協議会では飛行ルート下の土地所有者の許可も得ているが、対象者は1ルートで数十人にも上るため、地元の区長や公民館長らが許可取り付けをサポート。1月中旬の実験では、関係者との調整や安全確認などに延べ約50人が関わった。

 ドローン配送の試みは、高齢化や人手不足といった地域課題の解消が目的。地権者の許可取り付けに協力した多久町公民館長の飯盛久男さん(67)は「運転免許を返納して買い物が困難な高齢者など、日常生活に支援が必要な人は今後さらに増える。将来に備えて住民が関わり合うことがまちづくりにもつながる」と期待する。

 政府は22年度に操縦者の目の届かない距離でも市街地上空を飛行できるよう、航空法改正などのルール整備を進めている。協議会メンバーの工務店は、分譲中の住宅地の購入者から購入契約段階で敷地上空の飛行許可を得る仕組みを導入。飛行環境の整備にかかる時間や労力の削減を目指す。

 機体の安全性向上といった技術的な課題に加え、人口が少ない地域でまとまった需要をどのように掘り起こし、収益を確保するか。人手がかからない運用を実現するためには、無人で料金を徴収する方法の確立も必要になる。実用化にはクリアしなければならない課題が多く残る。

 協議会代表の笹川俊一さん(38)は大型のドローン1機を自費で購入。協議会の取り組みで活用していくといい、「どんな未来にしたいかという住民の思いを一つずつ形にしていきたい」と事業化への思いを語った。(谷口大輔)

 

 

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