28議席を33人で争った唐津市議選は31日午後11時45分ごろ、全ての当選者が確定した。新人の奮闘ぶりや同姓同名の現職の明暗など選挙戦を振り返る。
■合併後初の無所属女性議員が当選
新人で元唐津商工会議所女性会会長の久保美樹さん(60)は、女性や中心街の支持を集めて初当選した。無所属の女性候補の当選は2005、06年の市町村合併後は初めて。
35年前、呉服町商店街のカバン店に嫁ぎ、寂れていく街を見つめてきた。「何とかせんといかん」。中心市街地の活性化を考える会議などに積極的に参加してきたが、「なかなか市民の意見が反映されることはなかった」。
子育てや仕事が一段落し「出馬して、ものを言わなければ」と決意した。立候補の表明直後は不安で眠れない日が続いたが、選挙戦では60代以上の女性を中心に応援の声が届き「自信を持って活動できた」。
中心市街地の活性化と雇用の創出を課題に掲げる。「これ以上、町を衰退させてはいけない。とにかく潤うようにしたい」と力強く話した。(横田千晶)
■厳木で8年ぶり無所属市議
議員の空白地帯だった厳木町で、元県職員で無所属新人の宮原辰海さん(56)が3129票を集めてトップ当選した。厳木からの無所属市議は8年ぶりで、開票状況を見守った支持者に「皆さんの支援がなければこの票はなかった」と興奮気味に話した。
県職員として税務関係の部署を中心に35年以上勤め、生まれ育った厳木町で地域おこしにも携わってきた。若者の転出や、工業団地への企業誘致の停滞など、町の課題は置き去りになっていると感じ、昨年7月に立候補を決めた。
「知名度がない」と不安が募った選挙戦だった。街演では「昔の活気ある厳木を取り戻そう」と訴えて地域をくまなく回った。当選後、支持者には感謝の言葉を述べ「助言を頂きながら誠心誠意、取り組んでいく」と誓った。(横田千晶)