日本のプロ野球選手で初の「年俸1億円」は落合博満さん。1986年、ロッテで2年連続3度目の三冠王という偉業を成し遂げ、その年のオフ、中日に移籍、1億3千万円で契約を更改した。三十数年が過ぎた今、「1億円プレーヤー」は珍しくなくなったが、「億万長者」は庶民の夢であり続けている、と思う◆野球に限らず、プロ選手は地道な努力で自分の価値を高める。花開くには運も必要だ。体が資本だから、稼げるうちに稼ごうと思うのは当然かもしれない。見る人に夢や希望を与える意味でも億万長者を目指していい◆米大リーグで活躍していた田中将大投手が8年ぶりに楽天に復帰することが決まった。東日本大震災から10年の被災地に、再び大きな勇気を与えてくれるだろう。楽天が提示した金額は年俸9億円と日本球界最高額。生涯年収2億円前後といわれるサラリーマンには夢のような数字だ。こんなすごい人がわが子だったらと、ついつい思ってしまう◆ただ、人はお金のためだけに働くわけではない。わが子も、やりたい仕事を選んで自立してくれればそれで十分◆サラリーマン川柳の入選作が発表され、その中で「はたら苦がはた楽になる子の笑顔」が心に残った。きつく厳しい仕事でも、億万長者は無理と分かっていても、誰かの笑顔が思い浮かぶから人は頑張れる。(義)

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