七つの離島で開設された期日前投票所で唐津市長選・市議選の1票を投じる島民=28日、唐津市の神集島公民館

 新人で元市議の宮崎千鶴氏(66)=神田=と、再選を目指す現職の峰達郎氏(60)=山本、1期=の一騎打ちになっている唐津市長選は終盤戦に入った。両陣営とも新型コロナウイルスの感染予防で総決起大会の開催を見送るなど、手応えが得にくい状況が続いている。コロナ禍で投票率が前回2017年の63・33%を下回る恐れもあり、31日の投票に向けて有権者の動向に気をもんでいる。

 宮崎陣営は政党や団体の推薦・支援を受けず、草の根選挙を展開する。街演では女性の視点を取り入れた施策や「1市6町2村が輝くものを持っている」と、旧市町村の名所や特長を生かした観光に特化したまちづくりなどを訴えている。

 「唐津を変えると言って当選した峰氏だが、この4年間は、前市長のときと何も変わっていない」(陣営幹部)と指摘、人口減少が加速し旧市と旧郡部との格差が広がっていると捉え、批判票の取り込みを狙う。

 旧市内が地盤だった市議時代、所属していた公明党の支援も受けて5選を果たした。離党して臨んだ市長選でも一定の支持者はいるが、票を掘り起こすため旧郡部回りに時間を割いている。陣営幹部は「演説会や集会が開けない分、表面的に盛り上がりに欠けるが、『このままではよくない』と思う市民の気持ちをくみ上げていく」と強調する。

 峰氏は、新人だった前回と異なり、新型コロナ対応を含め、公務をこなしながらの選挙戦になっている。市議と県議の経験を含め、知名度を生かしながら支持固めを目指している。

 序盤戦は選挙カーで市全域をくまなく回り、中盤からは所々で数十人規模の有権者を前に、街頭演説に臨んでいる。行財政改革や公共施設再編などの課題を挙げながら「未来へ持続可能な唐津のため、次の4年間も仕事をさせてほしい」と支持を訴えている。

 前回は自主投票だった農政協議会をはじめ、約270の企業・団体の推薦を得ている。35支部に拡大している後援会組織と、企業などの支援団体はそれぞれ、電話でも投票を依頼している。陣営幹部は「今回は4年間の審判を受けるということ。相手がどうこうではなく、自分たちの戦いをやるだけ」と最終盤に向けて引き締めを図っている。

 市選挙管理委員会によると、市長選・市議選の期日前投票者数は25日から28日までの4日間で1万2333人に上る。市長選で新人4人が争った前回に比べて28・6%、3530人上回っている。選挙人名簿登録者数の9万9645人(23日現在)に占める割合で見ると、全体の12%超が投票を済ませたことになる。

 期日前投票の理由を示す宣誓書で、新型コロナへの感染を懸念する場合、「天候・天災等」を選択するように市選管は案内している。今回は、この項目を選択する有権者が多い。

 「平成の大合併」後の05年に77・04%だった市長選の投票率は徐々に低下してきた。両陣営は今回、新型コロナの感染予防による投票控えなどで60%を割り込むとみており、得票に及ぼす影響を懸念している。(成富禎倫、中村健人)

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