墜落機と同型のAH64D戦闘ヘリコプター

 佐賀県神埼市千代田町の住宅に2018年2月、陸上自衛隊目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)所属のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落し、隊員ら3人が死傷した事故で、陸自が「処分対象者はいない」と結論付けたことが28日、分かった。事故原因が明確に特定されなかったことに加え、陸自の捜査機関「警務隊」の捜査でも運用上の過失が確認されなかったと説明している。責任の所在が不明なまま、事故に関する調査は全て終了した。

 陸上幕僚監部によると、ヘリ事故の警務隊の捜査は終わり、幹部を含めて処分対象者はいない。「捜査内容については明らかにできない」としている。関係者によると、捜査は20年12月に終わり、整備や操縦など運用全般で過失などがない事故として処理された。

 事故を巡っては19年9月、事故調査委員会の委員長を務めた竹本竜司陸幕副長(当時)が原因の調査結果を発表した際、「(事故の)責任は今後の捜査で明らかになる」と述べていた。

 事故調査結果では、主回転翼を固定する「メインローターヘッド」のボルトの破断原因として、「何らかの理由による搭載前の亀裂」と「さび止めの薬剤の劣化による異常作動」の二つが併記された。事故原因に関しては、米国メーカー側と、整備・運用する自衛隊側のいずれにも絞り込まない形になっていた。防衛省はメーカー側に賠償請求をしない方針。

 ヘリは18年2月5日午後4時43分、定期整備後の試験飛行中に墜落、住宅1棟が全焼した。隊員2人が死亡し、住宅にいた小学生の女児(当時)がけがをした。同型機は昨年3月、目達原駐屯地で2年1カ月ぶりに飛行を再開した。

 湯浅悟郎陸幕長は事故から3年目となる前に、28日の定例会見で事故被害者や地域住民に改めて陳謝した上で「原因究明の結果の対策を着実に実施し、事故の再発防止に万全を期したい」と述べた。(山口貴由)

事故当時のニュース(2018年2月9日)
このエントリーをはてなブックマークに追加