街頭演説の動画を撮影する唐津市議選の候補者。SNSで生配信したり、動画サイトにアップしたりしている=唐津市東城内

 市長選と同じ31日に投開票される唐津市議選は、定数2減の28議席を33人で激しく争っている。新型コロナウイルスの影響で「密」を避けた戦いを余儀なくされる中、インターネットでの選挙運動に活路を見いだす候補者もいる。2年前に施行された改正公選法で、市議選でも認められるようになったビラを活用する動きも出ている。

 ある新人候補の第一声はSNS(会員制交流サイト)への投稿だった。「今回思い切った決断の上、この選挙に立候補致しました」。24日の告示日の出陣式は感染予防で取りやめていた。

 子育て世代や女性に親しみを感じてもらおうと、インスタグラムに立候補の思いを投稿したり、街頭演説を動画投稿サイトで生配信したりしている。後援会関係者は「SNSを見て演説に駆け付けてくれる人がいる」と反響を感じる一方、「好意的な反応ばかりではなく、中傷のコメントもある」とつぶやく。

 別の新人候補はフェイスブックで選挙運動を発信している。それで出馬を知り、事務所を訪れた人もいた。「直接、大勢の人と会う機会がないので票は読みにくい。ただ、影響力は感じている」と候補者。SNSと街頭演説の両輪で、集票につなげると説明する。

 ネットや電子メールを使った「ネット選挙」は2013年の参院選から解禁された。総務省によると、告示から投票日前日までの選挙期間中に、候補者と政党は電子メール、SNSを含むウェブサイトでの投票の呼び掛けができる(電子メールは相手の同意が必要)。有権者によるメールでの選挙活動は禁止されている一方、個人でメッセージを交わすアプリはウェブサイトに含まれており、制約はかけられていない。

 ただ、条件や制約が分かりにくい側面もあり、利用をためらう声も漏れる。ある現職候補は、ネット上での「炎上」や公選法違反を懸念し「SNSは慣れていないから使わない」。地元の住民らに支持を呼び掛けるなどしている。

 2019年3月施行の改正公選法で、選挙運動用のビラ配布は市議選でも解禁された。唐津市議選では今回、初めてビラを配ることができるようになり、多くの陣営が取り入れている。

 具体的な政策や実績などを簡潔に知ってもらう機会になると捉えている陣営は多い。「広く知ってもらえるから、なるべく早い日にちで新聞折り込みをお願いした」「握手や会うことが制限される中、助かる手段」と効果を期待している。(横田千晶)

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