トヨタ紡織九州レッドトルネードの岩本真典コーチ。24年前の世界選手権では日本代表の主力として活躍した

 ハンドボール男子の世界選手権で日本が24年ぶり2度目の1次リーグ突破を果たし、トヨタ紡織九州レッドトルネード(神埼市)のGK岩下祐太(29)も躍進の原動力となった。日本が初めて予選リーグを突破した24年前の大会で主力を務めた、トヨタ紡織九州の岩本真典コーチ(50)は「努力をして信頼を勝ち取れないとコートに立つことはできない。本当に誇らしい」と岩下の活躍に目を細める。

 岩本コーチと岩下はともに熊本県出身で、熊本市立商高(現・千原台高)、早稲田大の先輩・後輩。リーグ屈指の強豪・大崎電気を率いて日本リーグ4度の最優秀監督賞に輝いた岩本コーチがトヨタ紡織九州のスタッフに加わり、今季からは師弟関係になった。

 岩本コーチは現役時代、日本リーグ歴代1位の通算1079得点を誇る名プレーヤーだった。26歳だった1997年、地元熊本で開かれた世界選手権に出場。予選リーグを4位で通過し、決勝トーナメント1回戦では前回大会優勝のフランスに1点差で敗れたが、一時は5点をリードするなど王者をあと一歩まで追い詰めた。「世界の選手にも当たり負けしないよう、戦術だけなくフィジカル面も強化した。1日6000~8000キロカロリーを摂取し、2年間で20キロ増量した」と振り返る。

 岩下は今大会、要所で好セーブを連発した。「目つきや立ち振る舞いを見ても、すごいものを感じた」と岩本コーチ。東京五輪での活躍も期待されるチームの守護神について、「さらに強くなって日本に帰ってくるだろう」と力を込める。

 トヨタ紡織九州は現在、来月6日に再開されるリーグ戦に向けて練習に励んでいる。岩本コーチは「日本代表の選手たちは、リーグ戦では同じ土俵で戦う相手。ただすごいと思うだけではなく、戦術や個人のプレースタイルを分析し、代表入りを狙ってほしい」。岩下の活躍を刺激に、選手の奮起を期待する。(井手一希)

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