新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、佐賀県内第2の都市・唐津市の市長選と市議選が24日に始まった。観光経済の立て直しや12万人台を切った人口減少対策など課題は山積している。前例のないコロナ禍とどう向き合うのか、かじ取り役や、チェック役を託す選挙戦に有権者の注目が集まる。

 感染拡大を受け、県が要請した飲食店の営業時間の短縮。中心商店街で居酒屋を営む松田拓也さん(52)は「『Go To イート』のプレミアム付き食事券でお客さんが戻ってきたところだったのに」と肩を落とす。コロナ対策の店舗改修など市の補助事業については「補助金も助かるが、これからも唐津で事業が継続できるような施策を示してほしい」と望む。

 子ども3人を育てながら会社を経営する田中綾さん(38)=原=は「休校が続き、オンライン授業の需要が高まった。ほかの地域で進むICT活用に力を入れてほしい」と注文する。「議会には男性が多い。子どもの教育にも目を向け、議会の中に新しい意見を取り入れて」と女性候補に期待を込める。

 東松浦郡玄海町に立地する九州電力玄海原発との向き合い方も課題の一つ。原発から半径5キロ圏に住む山下信幸さん(69)=鎮西町=は東日本大震災直後に東京から移住した。「原子力災害が発生した場合の危険性は玄海町と変わらないのに恩恵は少ない。強く物が言えるようになってほしい」と、市が町と同等の立場になるように希望する。

 湊町の農業、伊藤イソ子さん(73)は地区の高齢化や過疎化を嘆く。湊出張所を廃止する話が浮上し「やっぱり心配。夫と2人暮らしだから、車の運転できなくなった時がね」と不安を募らせる。生活の足を支える公共交通手段を望み、「地元の声を届けてくれる人に投票したい」。

 大名小路のゲストハウス館主、池田愛子さん(41)は「中心商店街の空き店舗を若い人の住まいと絡めて活用すれば、にぎわいが戻ってくるのでは。市はしっかり受け入れを」と要望する。「景観を守りつつ、地域色のある祭りや歴史を大事にする街づくりをして、ファンやリピーターを増やしてほしい」(横田千晶、成富禎倫、中村健人)

このエントリーをはてなブックマークに追加