米国の第46代大統領に就任したジョー・バイデン氏は少年時代、吃音きつおんに悩んだ。緊張すると言葉に詰まり、スムーズに話せなかった。今は克服し、就任式では世界中が注目する中で力強いスピーチをした。

 吃音は100人に1人がなるとされるが、その数ほどには社会に認知されていないようだ。当事者が隠したり、話すのを避けたりする傾向があるのも、理解が進まない一因という。

 そんな中、沈黙よりも声を上げることを選んだ若者がいる。伊万里商高定時制3年の前田凌輔さんと、大坪小6年の前原太郎君。それぞれ、ここ2カ月の間に取材相手として出会った。

 2人はともに幼少期から吃音になり、うまく話せないもどかしさや、周囲のからかいなどに苦しんだ。「なぜ僕だけ」と親に当たったこともある。それでも、吃音を理解してもらうのを諦めなかった。「ほかの人と同じように、普通に接してほしい」。共通した思いを、スピーチコンテストや手作りのパンフレットで訴えた。

 バイデン大統領は吃音と向き合った経験が、人生のほかの試練を克服する強さと、他者の苦しみに共感する力につながったと振り返っている。取材した2人の若者を思い浮かべ、深くうなずいた。(伊万里支局・青木宏文)

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