シンポジウムのパネリストとして参加した灯す屋の上野菜穂子事務局長=有田町の灯す屋

 有田町の産業振興と地域振興を考えるシンポジウム(佐賀大肥前セラミック研究センター主催)が22日、オンラインで開かれた。近代有田焼の歴史と地域活性化についての基調講演やパネルディスカッションがあり、地域アイデンティティーを生かしたまちづくりの大切さを語り合った。

 二つの基調講演があり、近畿大経営学部の山田雄久教授は近代有田焼の歴史を解説。「今、伝統産地の存続が重要な課題となる中、後継者育成、技術伝承、産地ブランド戦略が求められる」とした。甲南大ビジネス・イノベーション研究所の西村順二所長は「有田には芸術や文化、生活にまで浸透した有田焼の産業特性が存在する」とし、SNSによる交流促進や地域ブランド化の重要性などを説いた。

 パネルディスカッションは「地域アイデンティティーを活かしたまちづくり」がテーマ。有田町で地域おこしや、行事・伝統食の飲食店を手掛ける西山美穂子さんは「有田は、日本の食文化を支える名脇役の器を作るという、重要な役割を担っている。それを取り巻く町の素晴らしさも交えて、観光の中で伝えていきたい」と話した。

 移住者で特定NPO法人灯(とも)す屋の上野菜穂子事務局長は、「居(コミュニティー)・職(仕事)・住(暮らす場所や住まい)の選択肢を増やせば、住みたい人が増える」との思いで事業を展開。「コミュニティー形成のための多様な人材の受け入れが窯業とよい化学反応を起こし、新たな動きにつながれば」と期待した。

 佐賀大学で産学連携に取り組む三島舞さんは、同町にある肥前セラミック研究センターについて「芸術地域デザイン、理工、経済の各学部の先生で構成しており、異分野が連携し、科学と芸術が融合できるのが強み」と、地域産業にトータルで貢献できると強調した。(古賀真理子)

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