佐賀県内外から利用客が訪れ、地域活性化の要になっている道の駅しろいし=杵島郡白石町

 任期満了に伴う杵島郡白石町長・町議選が26日に告示される。タマネギやレンコンの生産が盛んな農業の町には2年前、道の駅が開業した。2021年度には有明海沿岸道路の福富インターの開通が予定され、交流人口の増加が予想される。一方、少子高齢化で人口はこの10年間で3474人減の2万2780人となり、小中学校の再編計画も進む。選挙を前に、町の現状と課題を見つめる。

 新鮮な農産物などを目当てに、県内外から多くの客が訪れる道の駅しろいし。19年6月に開業し、初年度の売り上げは3億8185万円と目標を達成した。

 近隣の有明海沿岸道路福富インターが開通すれば、さらに観光客の増加が予想される。交流人口の要になり、地域経済の活性化が期待できる道の駅だが、商品の品数確保には課題が残る。山下敬博駅長(67)は「午前中で売り切れてしまう商品があり、商品数は十分とは言えない」と話し、出品する会員数を現在の約330人から千人に増やすことを目標に掲げる。

 観光客からは「白石町内で訪れる場所は道の駅だけ」「他の市の観光帰りに立ち寄った」という声が聞かれる。いかに町内各地に人を呼び込むか。観光ルートの確立や新たな仕掛けづくりも欠かせない。

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 町では転出が転入を上回る状況が続いている。2018年は転入599人に対して転出794人で、特に10~20代の転出が多い。65歳以上の割合は36・2%(20年4月1日現在)と県内市町で4番目に高く、人口減少対策も課題だ。

 町は定住促進・移住支援として、18年から「空き家バンク」、20年から「空き家・空き地バンク」を開始した。19年度までの登録は28件、契約は14件に上ったが、町外から移住した人は4世帯5人にとどまっている。

 隣接する江北町は県の中心という地の利をアピールする住宅地造成などで人口を維持し、大町町は民間の賃貸住宅の建設費補助や入居者への補助といった移住促進策を打ち出している。白石町も、より効果的に移住や定住を促す手立てが必要となる。

 「子どもが少ないことが理由のようだが、福富小は2クラスの学年もあり、そのままがいい。通学や移行期に通う子どものことが心配」。小学生の子どもがいる40代の母親は、町が進める小中学校の統合再編計画に不安を抱えている。

 少子化が進む教育環境や将来的な設備の老朽化を背景に、町は小中学校の統合再編計画に取り組む。学校統合再編審議会は昨年、中学校を3から1校へ、小学校を8から2校に減らす審議結果を町に答申した。中学校は24年度、小学校は28年度までの開校を目指す。

 町は先行する中学校について住民や保護者向けの説明会を開き、意見も公募した。反対する声も出ているが「仕方ない」という声も多い。計画案について町教育委員会は「大きな変更はない」としており、準備委員会で通学方法や制服など具体的な内容を協議する。

 地域コミュニティーの核ともいえる学校の統合再編。町は新しい学校の将来像や、閉校した学校の利活用などについて住民に丁寧に示していくことが求められる。(松田美紀)

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