唐津市七山と福岡県糸島市にまたがる脊振山系の風力発電事業に関し、計画している大和エネルギー(本社・大阪府)は22日、七山公民館で住民向け説明会を開いた。約60人が参加し、「自然を破壊するのか」「白紙撤回するべき」など、再考を求める意見が相次いだ。
計画では、発電機8~10基を設置し、最大3万2千キロワットの出力を見込む。2024年に着工し、26年の運転開始を目指している。
同社は、環境影響評価(アセスメント)の第1段階となる「配慮書」で、事業区域を糸島市を含む約522ヘクタールと想定。ただ、糸島市民から反対の声が上がり、14日に公表された第2段階となる「方法書」では、事業区域を糸島市を除いた353ヘクタールに改めた。
説明会で同社の担当者らは、これまでの経緯や今後の予定などを説明した。住民からは、騒音や超低周波数音による健康被害を危惧する声が上がった。発電機設置予定区域のほとんどが脊振北山県立自然公園に指定されており「森林を崩し、災害が増えるのでは」という懸念の声もあった。
同社の担当者は「意見を踏まえて現地調査し、どれくらい影響があるのか示したい」とした。24日には佐賀市富士町と糸島市で説明会を実施。方法書は、3市の市役所や同社のホームページなどで2月15日まで縦覧できる。(中村健人)