農業高校の生徒たちが和牛飼育の日本一を競う「第4回和牛甲子園」(JA全農主催)で、唐津南高(唐津市神田)が取組評価部門で優良賞に選ばれた。肉質等級はA-5ランクで「佐賀牛」と認定された。2年間、丹念に育てた牛が高い評価を受け、生徒たちは「南高初の入賞でびっくり。とてもうれしい」と歓喜の声を上げた。
大会は日頃の飼育の取り組みを発表する取組評価部門と、肉質が格付けされる枝肉評価部門があり、全国の33校47頭が参加した。新型コロナウイルス対策で15日にオンラインで開催され、唐津南高は最優秀賞1校、優秀賞2校に次ぐ優良賞の3校に選ばれた。
畜産専攻の3年生10人を中心に36カ月育てた「順豊百合(じゅんとよゆり)」を出荷した。第2、3回大会は出荷を断念しており、佐賀牛認定は3年ぶり。過去の実績から課題を整理し、地場のしょうゆかすを餌に使って品質を上げるなど改善の取り組みが評価された。
当日、電子黒板の画面で大会の様子を見守った麻生将平さんは「ストレスを与えないように心掛けた。佐賀牛と認められてほっとした」。大石奏羽(かなう)さんと田島遥佳はるかさんも「夏場に病気で食欲をなくした時はひやひやした。成長を見てきて出荷時は寂しい気持ちもあったけど、入賞してうれしい」と喜んだ。実習の動物を慰霊した22日の畜魂祭で改めて感謝した。
指導した木村紀元教諭は「生徒たちは牛に触って話し掛け、観察力があり、頑張った」とたたえた。(辻村圭介)