佐賀市立川副中学校では、文部科学省から令和2年度「学校安全総合支援事業」モデル校の指定を受けて、2年生を中心に「防災・減災」について考えました。
「防災への意識を高め、命を守る行動をとるためにはどうすればいいのか」を中心課題として、6月から12月までの半年間、2年生全員が「ハザードマップ」「避難所」「避難グッズ」「アナウンス」「土嚢作り」「体験を生かす」の6つの班に分かれて、それぞれ調べたり体験をしたりしながら活動を進めてきました。
 これらのまとめとして12月22日に全校生徒へのプレゼンテーションを行いました。それぞれの班が発表した内容を紹介します。



■自分の命が最優先

【体験を生かす班】

 

 2年生は、10月2日にバス研修で熊本県へ行き、復興途中の熊本城を見学しました。その熊本地震を含め、阪神淡路大震災や東日本大震災など、平成以降に起きた震度7の地震について調べました。
 熊本地震では、バス研修で学んだことを生かしながら調べました。また、熊本城の被害前と被害後の様子を比べ、重要文化財である十三棟の建造物が被災したことを知りました。震災後の益城町の様子や日奈久断層や布田川断層のことも知ることができました。
 阪神淡路大震災は私たちが生まれる前のことでしたが、調べるうちに「クラッシュ症候群」「精神的ショックによる死傷者」「震災孤児・震災遺児」という言葉が出てきて、衝撃を受けました。
 東日本大震災のこともなんとなくしか知らなかったけれど、多くのことに気づくことができました。津波の被害のすさまじさは忘れられないものとなりました。その中で、私たちと同じ中学生が自主的に動いていたことを教えてもらいました。
 これらの活動の中で、宮城県名取市立みどり台中学校の平塚真一郎校長先生と熊本県知事公室の林田昭広さんにお話を聞くことができたのも、良い経験となりました。この学習を通して学んだのは「自分の命が最優先」だということです。佐賀は災害が少ない方だとは思いますが、いつどんなことが起きるか予測がつかないということを改めて感じました。そして、何かが起きた時に自分の命を守るにはどういう判断をしなければならないのか、自分の安全を確保した上で他の人のためにどんな事ができるのか、私たちはもっと真剣に考えなければならないと感じました。
【池田愛香(いけだ・あいか)吉田優衣(よしだ・ゆい)】



■誰でも分かるよう工夫

【ハザードマップ班】

 

 私たちは、防災の学習で各小学校校区のハザードマップを制作しました。ハザードマップについてあまり知りませんでしたがこの学習を通して詳しく知ることができました。 
 ハザードマップとは、河川の氾濫、堤防の決壊といった水害時の被害を最小限に食い止めることを目的として浸水が予想される区域や、避難場所、避難経路などの各種情報を誰が見ても分かりやすいように地図上に表したものです。ハザードマップは、被害を予想した地図ですが、地図以外でも非常時持ち出しチェックリストやその災害に対して危険なところなどが書かれています。津波、洪水、宅地、内水、高潮、土砂災害、火山、地震の全部で八種類あります。
 私たちは、ハザードマップの種類や自分たちの住む町の危険な場所を学習しました。自分たちの住む町が、意外と危険性が高いことに驚きました。
 ハザードマップは、津波、洪水、地震について制作しました。小学生にも分かるように色分けや大事な部分を目立たせるなどの工夫をしました。どうしたらより分かりやすく伝えることができるのかを考えることが大変でしたが、自分たちなりに工夫して誰が見ても分かりやすいように制作することができました。ぜひいろいろな人に見てほしいです。
 私たちは、この学習を通して災害の恐ろしさがよく分かりました。これからは、災害に対して危機感を持ち災害の恐ろしさを身の回りの人達に伝えていきたいです。
【中島春香(なかしま はるか)光吉遥佳(みつよし はるか)】



■状況に応じ敏速、適切に

【避難所班】

 

 私たちは、避難所についていろいろと学びました。
 まず、段ボールでトイレや椅子などを作りました。トイレは不安定ではあったが、まずまずの出来でした。
 その後、佐賀市役所の防災担当の方から避難所や避難グッズについて詳しい説明がありました。持ってこられた避難グッズなどを実際に使わせてもらいました。段ボールベッドも組み立てて、実際に寝心地をみんなで体験しました。ベッドは予想以上に固くて頑丈にできていました。トイレを下水道につなげば手入れが簡単になることを知りました。
 今回の学習を通して学んだことは、避難所では避難者の状況に応じて敏速に、また適切に対応することの大切さだということです。最近では、コロナの第三波が押し寄せています。マスクの着用や手洗いと消毒の徹底が必要です。
 最後に、中学生としての私たちにできることは何かを考えました。
(1)御用聞きをする(2)荷物運びを手伝う(3)避難所の案内をする(4)小さい子どもの遊び相手になる(5)避難所の清掃を手伝う(6)避難者の健康チェックを行う。
 以上のように、中学生でもできることはあるので、災害が起きたときには自分ができることをしていきたいと思います。
【小川凛(おがわ・りん)江頭なつみ(えがしら・なつみ)】



■家族と話し合い準備を

【避難グッズ班】

 

 私たちは、10月9日から12月22日にかけて防災学習の一環として、防災グッズについて学びました。避難する際に必要な道具や、どんなものが役に立つのかを佐賀市消防防災課の方に話を聞きました。
 佐賀市消防防災課の方によると、防災グッズは、被害の状況によって何日分持って避難するのかを決めて行動するのが最適だそうです。例えば、水は避難所に行くと割と早く支給されるので、水は1日分持って行けば大丈夫です。実際に避難グッズの入ったリュックを持ってみました。重さは、男子なら走って逃げられて、女子なら歩いて逃げられるくらいの重さです。インターネットで防災グッズについて調べると、色々なグッズが出てきます。そのため、インターネットで調べて必要なものをそろえるのもオススメです。避難所では、火やお湯が貴重なので、火やお湯を使わない食料や道具もオススメです。
 自然災害はいつ起きるのか分かりません。だから、自然災害がいつ起きても良いように家族と話し合って準備しておきましょう。
 防災グッズは、自分、家族の命を守るものです。「金額が高いので買わない。」という発想はやめて、いくらかかっても、「命のためなら」という心構えで自分、家族の命をしっかりと守りましょう。【岡晃次郎(おか・こうじろう)】



■丁寧な日本語で伝える

【アナウンス班】

 

 私たちは、非常時のアナウンス、ピクトグラム、災害時伝言ダイヤルの3つのグループに分かれて調べ学習をしました。
 講師の先生をお招きして、やさしい日本語を使ったアナウンスの仕方や聞き取りやすいアナウンスの速さなどを教えていただき、実際に体験をしました。災害時には,大人でも動揺やショックのため会話力が低下するということも知り、「火災」は「火事」、「発生」は「起こる」などと誰にでもわかりやすい、丁寧な日本語で伝えることが重要になるということです。また、地域に住まれている外国の方にも避難を伝えることができるように、簡単な非常時の際に使える英語フレーズも学習しました。
 ピクトグラムとは情報や注意を示すための記号の一種で、絵文字や絵単語呼ばれることがあります。メリットとして、外国語対応の代わりになること、コストをかけずに導入できること、対人での案内の手間が省かれることなどが挙げられます。デメリットは、イメージでしか意思疎通が図れないこともあるということです。色や形にも意味があるということを知りました。災害用伝言ダイヤルとは何か、使い方などを調べました。災害用伝言ダイヤルは、災害時にだけ開設される特別なダイヤルのことで、今から25年前に発生した、阪神淡路大震災の影響で1998年に開設されました。家族や知人に安否を知らせるために活用されています。
 この学習を通して今まで知らなかったことをたくさん知ることができました。災害は起こってほしくないけれど、色々な情報を知っておくことで、命を守るためのとっさの判断ができるのではないだろうか、と思いました。
【竹下茉依(たけした・まい)石丸真彩(いしまる・まあや)】



■事前に作って保管して

【土のう作り班】

 


 私たちは「土のう」について体験を通して学びました。「土のう」とはどういうものか知っていますか。土のうとは、袋の中に土を入れて、水害を防ぐものです。水害のほかに土木の現場や爆発物処理、軍事的に利用されることもあるそうです。
 今回は、特に防災のために使う土のうについて学びを深めました。土のうを実際に作ってみたり、作った土のうを積んでみたりしました。この体験を通して気付いたことは、慣れれば簡単に作れますが、水害を防ぐためにはたくさん作らなければいけないので、あらかじめ作って保管しておき、台風などで浸水が予想される時にいつでも使えるようにしておかなければならないということです。ただ、そうした時間がなければ、市役所や公民館などに、作り置きされた土のうが保管されており、無料で配布されている地域もあるそうです。
 いつ起こるか分からない災害に備えて、皆さんも試しに土のうを作ってみたり、市役所などに貰いに行ってみたりしてみてはいかがでしょうか。また、水害が起きた時に、土のうをどこに設置した方がいいか、家の近くを歩いて探してみるのもいいかもしれません。【リーダー 森永遼太郎(もりなが・りょうたろう)】

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