最後の客が店を後にし、のれんをしまう従業員=21日午後8時ごろ、佐賀市白山の「鍋家花たろう」

通常は夕方から営業する「サントリージガーバー」。県の時間短縮要請を受け、新たにランチの提供を始めた=21日正午すぎ、佐賀市中央本町

 新型コロナウイルス特措法に基づき、佐賀県が飲食店などに要請した時短営業が21日、県内全域で始まった。各店舗には午後8時までの営業を知らせる張り紙が掲げられ、次々と繁華街の明かりが消えた。「やれることは何でもやる」と、新たにランチ営業を始めた飲食店主らの言葉からは、2月7日までの「勝負の18日間」を何とか乗り切りたいとの思いがにじんだ。

 午後8時すぎ、佐賀市中心部の繁華街・愛敬通り。普段なら街が夜の顔を見せ始める時間帯だが、クラブやラウンジが入るビルのネオンは徐々に消え、家路を急ぐ人の姿が目立った。

 通りに店を構える「鍋家花たろう」(同市白山)はこの日、常連客が2組だけ。店前の看板の明かりは酒類の提供が終わる午後7時に合わせて消し、約1時間後にはのれんをしまった。

 「どこの会社も『飲みに行くな』と言っており、キャンセル続きで惨憺(さんたん)たるありさま。協力金で急場はしのげるけど、先は見えない」と店主の小林泰弘さん(67)。要請期間中は予約がなければ休業を考えているという。

 何とか状況に順応しようという動きもある。佐賀市中央本町の「サントリージガーバー」は通常午後6時から未明までの営業だが、期間中は正午からランチを提供する。小賦兼也店長(27)は「創業35年でお昼の営業は初めてのようだ」と語る。周囲の飲食店や居酒屋には休業を選んだところもあるが、「仕入れ先にも影響がある。手探りでもできることをやらないと」と前を向いた。

 コロナ禍の外出自粛などで利用客が激減しているタクシー業界。再耕庵タクシー(鹿島市)の山本浩二総務課長(56)は「夜のタクシーは飲食店あってこそ。時短営業が始まり、利用はまたガクンと減るだろう」と頭を悩ませる。「何とか頑張るしかない」と気持ちを奮い立たせた。(大橋諒、中島佑子、中島幸毅)

このエントリーをはてなブックマークに追加