「雪は天から送られた手紙」とは雪の結晶に魅せられ、「雪博士」といわれた物理学者中谷宇吉郎(なかや・うきちろう)博士(1900~62年)の言葉。博士は世界で初めて人工雪を作ったことで知られ、零下50度まで下がる北海道大学の低温室で実験を重ねた◆研究は楽しかったが、夏、零下30度の室内と屋外の温度差は約50度。体が参り、実験は元気な学生に任せたと随筆に書いている◆最低気温が氷点下の日を「冬日」、最高気温が氷点下の日を「真冬日」という。佐賀県では真冬日はめったにないが、今月は「冬日」がきのうの時点で6日。特に、大雪となった上旬の冷え込みは厳しかった。かと思えば中旬は春を思わせる陽気が続いた。今冬は寒暖差が大きいようで、体調を崩さないよう注意しよう◆きょう1月20日は二十四節気の一つ「大寒」。1年で最も寒さが厳しい時期で、布団から出たくない朝が続く。県内が真冬日となって大雪に見舞われ、断水など市民生活が大混乱したのは2016年のこの時期だった。5年ぶりとなった今年の大雪は「自然は決して甘くない」という天からの手紙だったのだろうか◆それでも、日脚は少しずつ伸び、次の二十四節気は「立春」。寒さが苦手で冬が嫌いなわが身には春が待ち遠しい。天からもらう次の手紙はまた5年後ぐらいでいいかなと、勝手に思っている。(義)

下記のボタンを押すと、AIが読み上げる有明抄を聞くことができます。

このエントリーをはてなブックマークに追加