ガネの入ったバケツを引き上げる黒田さん=太良町の竹崎漁港

 昨年12月の初め、テレビ局のディレクターのロケハンに付き合って竹崎漁港を訪ねた。港の写真を撮っていると沖から漁船が3隻戻ってきて、そのうちの裕勢丸がすぐ近くに入ってきた。ガネ(ガザミ・ワタリガニ)網漁から戻ったようで、大きな容器二つを夫婦で岸壁の下の段まで抱えて上げていたので、声を掛けた。

 重そうな容器を2人で引きずるようにして階段を上がってきて、広場に止めていた軽トラックの横に置いた。「魚はいらんね」と言って、マゴチとアカゴチを差し出す。名前を尋ねると「黒田金矢です。お金ん矢のごと飛び込んで来るはずばってん、タイラギの捕れんごとなってからはそぎゃんこたなか」と笑った。

 「今日は50ばかい掛かったいどん、いつもは5、6匹のこともあるとよ」と。年明けに電話すると、あの後は急に冷え込んでしけも多く、ほとんど出ていないらしい。冬の漁は厳しい。(写真家 中尾勘悟=鹿島市)

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