「銘尽(龍造寺本)の歴史的価値と文化財的価値」の演題で講演した九州産業大の吉原弘道准教授=佐賀市城内の県立美術館

修復され、1日限定で公開された「銘尽(龍造寺本)」の原本=佐賀市城内の県立美術館

座談会の様子=佐賀市城内の佐賀県立美術館

 県立図書館所蔵資料から発見された国内現存最古と考えられる刀剣書「銘尽(めいづくし)(龍造寺本=りゅうぞうじぼん)」の修復が終わり、10日、佐賀市の県立美術館で原本が一日限定で初めて公開された。発見した研究者らによる講演会も開かれ、刀剣書の成立過程を探る手掛かりになることなどが示された。

 銘尽とは、刀工の名前や代表作、系図などを示した「刀剣書」で、これまで室町時代に書写された「銘尽(観智院=かんちいん=本)」(国重要文化財)が現存最古とされていた。2017年に九州産業大の吉原弘道准教授(53)が、半世紀以上も古い南北朝時代に書写された「銘尽(龍造寺本)」を発見し、注目を集めた。

 10日は吉原准教授が記念講演。「龍造寺本」をまとめたのが鎌倉時代の人物だったと特定できたことなど研究成果を紹介した。このほか、修復を手掛けた筑紫野市の専門業者の藤井良昭さん(41)と上野早也香さん(30)も登壇し、文化財の修復や保存について語った。上野さんは「色むらを無くす作業に骨を折った」と修復作業の裏話を披露、従来とは違う補修法を採用したことできれいな仕上がりを実現できたと強調した。

 聴講した佐賀市の相川晶彦さん(67)は「(数百年も前のことだが)刀剣書が作成された経緯などが想像でき、面白かった」と話した。(中島野愛)

【関連記事】

現存最古の刀剣書か 県立図書館資料から発見 南北朝時代 平安~鎌倉の刀工収録

県立図書館ピックアップ10月号「銘尽龍造寺本」とその修理(その1)

県立図書館ピックアップ11月号「銘尽(龍造寺本)」とその修理(その2)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加