【 URESHINO NO HITO 】

 地域おこし協力隊の任期中は、県内外のアーティストと地域の人たちをつなぐ取り組みをしたり、子ども向けのワークショップを開催したり、自分の得意分野を生かしながら活動していました。任期満了後もこの地に残ることにしたのは「もっと何かできるのでは?」と感じたから。地元の中高生と話すと、「ここには何もない」という子がほとんど。確かに街並みは古く、住民の高齢化も感じますが、県外からUターン・Iターンしてきた30~40代の若い人たちによるまちづくりも始まっています。「何もないなら自分たちで魅力を作る」という楽しみが、ここにはあります。嬉野の路地裏を散歩していると、川の中に陶器の欠片が落ちていたり、むき出しになった温泉の配管に手をかざすと温かかったり、嬉野ならではの風景に出合います。そんな何気ない日常の中にも、まちおこしにつながるヒントがあるはず。これからも最大の目玉である温泉に匹敵するような嬉野の新しい魅力をみんなで見つけていきたいですね。

 

大門 光さん(右)instagram
東京出身のイラストレーター。日常の風景写真とイラストを融合させた手法が持ち味。2017年~嬉野市の地域おこし協力隊を務め、任期満了後も嬉野に在住

中村 将志さん(左)instagram
「椎猫白魚」として植木鉢や食器など生活に密着したうつわを作る。大門さんと共に2017年~嬉野に移住、「おひるね諸島」の運営にも携わる。趣味は路地裏散歩

 
いたるところにある水道管ならぬ”温泉管”は、温泉街ならではの風景

 

 

第21回 うれしのあったかまつり

豊玉姫神社は鍋野手すき和紙(塩田町)の小灯籠や陶器灯籠で幻想的な雰囲気に

祈りを込めたランタンの光が温泉街を優しく照らす

 手作り灯籠の柔らかな光が湯けむりの町をそっと包み込む冬の風物詩「うれしのあったかまつり」。大厄の際に現れて神託を告げるとされる白なまずとその仲間たちをかたどったランタン「なまずの寝床」は、ここ数年のメインイベントでしたが、今年は室内での展示が中止に。その代わり、一部の魚たちが体育館から飛び出し、街を幻想的に彩ります。新設を含む3カ所の足湯広場には、なまずの寝床を手掛けたランタン作家・三上真輝さん作のコロナウイルスに見立てた魔除けのような巨大ランタンを展示。市民や観光客がおのおの書いたメッセージを張り付け、疫病退散を祈願します。多種多彩なあかりの演出は、私たちの沈んだ心に光をともし、癒やしてくれそうです。

 
寝床”から飛び出した魚たちが、今年はどこに潜んでいるか探してみよう(写真は昨年の様子)
 
三上さんを中心に、市民の有志が手分けしてランタンを制作

 

メインストリートの「華灯籠」の一つ一つ異なる絵柄を見るのも楽しみ

 

DATA

期 / 1月30日(土)~2月14日(日)
時 / 18:00-翌7:00
問 / うれしのあったかまつり事務局(嬉野温泉観光協会内)
   0954-43-0137(9:00-18:00/木曜休)


 

和多屋別荘

うつわの個性を生かしつつ、嬉野らしさも盛り込んだコース(一例)には、シェフの遊び心が垣間見える(8000円+税)
 

伝統と新しさの融合 老舗旅館で感じる“佐賀”

試行錯誤の上誕生した「茶ビール」(1000円+税)は、まるで抹茶のような不思議な色合い

 古くは江戸時代に薩摩藩・島津家が御用宿としていた歴史もある老舗旅館。新型コロナウイルスの影響でホテル業界が苦境に立たされる中、斬新なアイデアで旅館の新たな楽しみ方を発信し、話題となっています。昨年11月にはレストランをリニューアル。有田の窯元・李荘窯のスタイリッシュなうつわで佐賀牛を味わう、目にも舌にもぜいたくなコースも登場しました。昨夏から営業を開始した「茶寮&BAR」は、地元の茶農家・副島園とコラボレーション。茶ビールや冷茶酒など“茶のプロ”ならではのオリジナルメニューがそろいます。いずれも宿泊しなくても利用できるので、気軽に立ち寄って、嬉野、そして佐賀のよさを感じてください。

リニューアルオープンした「李荘庵」。和モダンの落ち着いた雰囲気の中で極上の佐賀牛をどうぞ

 

 
ロビーにあるセレクトショップ「設」には、嬉野茶や吉田焼のうつわなどが並ぶ
 
「茶寮&BAR」は、木のぬくもりに満ちた離れ「水明荘」ラウンジで営業

 

DATA

住 / 嬉野市嬉野町下宿乙738 
電 / 0954-42-0210
営 / 李荘庵 11:00-14:00L.O./18:00-20:00最終入店
    ※ランチは日祝のみ ※ディナーは要予約
   茶寮&BAR 20:00-24:30
    ※火曜休み ※新茶シーズンの営業は未定
駐 / あり
HP / https://wataya.co.jp

 

おひるね諸島

玄関から廊下までが店舗。ドリンク片手におしゃべりしたり、本を読んだり…思い思いに過ごせる空間

 

嬉野×クリエーター 川辺の小さな コーヒースタンド

新書から古書までさまざまな本が並ぶ玄関先「BOOK KIOSK」。一部の本は購入も可能

 元々は企業の保養所だったというノスタルジックな建物「リバーサイドハウス」内に、昨年9月、コーヒースタンドがオープン。イラストレーターの大門光さんと陶芸作家の中村将志さんが、ドリップコーヒーや嬉野紅茶を使ったスパイス系ドリンクなどを提供。地元の人から観光客まで、誰もがふらりと立ち寄れる、まちの交流拠点となっています。玄関先のスペースでは、ポストカードや生活のうつわなど、2人が手掛けた作品の展示販売も。ゆかりのあるクリエーターの個展を開催したり、作品の委託販売をしたりと、コーヒースタンドだけに留まらない取り組みにも注目です。

 

 

 
大浴場をそのまま中村さんのアトリエに。見学を希望する場合は玄関で確認を
 
車は通れない細い路地にある。オレンジの屋根を目印に店までの道のり散策も楽しもう

 

(左から)深煎りコーヒーと生クリームの温/冷と苦/甘を楽しむ「ビエンナ・コーヒー」(480円)。「クラフトコーラ」(430円)や「サモアール(チャイ)」(480円)のスパイスは、中村さんが季節に合わせてブレンドしている

 

DATA

住 / 嬉野市嬉野町岩屋川内甲89 リバーサイドハウス内
電 / なし
営 / 11:00-18:00
休 / 火~木曜 ※変動あり 
駐 / なし
IG / 「ohiruneshotou
他 /  旅館大村屋入浴券の販売あり ※+200円でドリンク注文可

 

EVENT

ハトの国
写真家・南阿沙美さんがハトを撮った新作約40点を展示・販売
期 / 開催中~2月28日(日)

 

★★★★カレーインド坂田

「本日のワンプレートカレー」(1000円)。この日はキーマ、フィッシュ、サグ(ホウレンソウ)の3種

路地裏の隠れ家で味わう本格派スパイスカレー

 路地というよりも隙間!? 温泉街のメインストリートから細い路地に入ると目に入る看板。その名の通り、ここでは本場インドのスパイスを駆使したこだわりのカレーが楽しめます。メニューは野菜や肉、魚など旬の食材を使った日替わり3種に、副菜とパパド(薄焼きせんべい)を添えたプレートのみ。カレーは辛さ控えめながらも、スパイスの風味がしっかり感じられます。注文を受けてから焼き上げるタンドリーチキン(+300円)のトッピングも可能。カレーのお供には、バナナジュースをぜひ。紅茶やほうじ茶などをミックスした「嬉野茶フレーバー」(各500円)は、甘さ控えめですっきりとした味わいです。

 
ビンテージのアパレルショップ「ROCK&」(六感)の横の路地に入る。わかりにくいので注意
 
細い路地を奥に進むと看板とのれんが見えてくる

 

ウッディーな店内にスパイシーな香りが漂う

 

DATA

住 / 嬉野市嬉野町下宿乙939-1
電 / 070-7636-4722
営 / 11:00-21:00  
休 / 水曜
駐 / なし
IG / 「4star_curry_india_sakata

 

※1/5時点での情報です。新型コロナウイルスの影響により、営業時間や休みが変更になる可能性があります
 

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