入り口で新型コロナウイルス対策への協力を呼び掛けている道の駅吉野ヶ里「さざんか千坊館」。福岡の緊急事態宣言の長期化を心配している=神埼郡吉野ヶ里町

 「やっぱり福岡もか…」。福岡県を含む7府県に新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言が再発令された13日、佐賀県内の観光地や商業施設の関係者は表情を曇らせた。政府が期限とする「2月7日」を越えて長期化すれば「廃業も現実味を帯びてくる」と危機感をあらわにした。

 福岡との県境に位置する「さざんか千坊館」(神埼郡吉野ヶ里町)には13日午後、「福岡」ナンバーなどの車が訪れ、湧き水をくむ人の姿が見られた。昨春の緊急事態宣言時は、他県からの人の流れを抑制しようと、佐賀県が独自に道の駅に休業を要請した。持永信弘館長(62)は「前回よりも今回の方が感染者の数が多い」と再発令の必要性を認めつつも「3月以降も宣言が続くようだと影響は大きい」と懸念した。

 「今となっては後の祭りだが、年末年始にロックダウンしてもらった方がよかった」。佐賀県飲食業生活衛生同業組合の藤﨑臨副理事長(72)は嘆息する。自身が支部長を務める唐松支部には「呼子のイカ」で有名な唐津市呼子町の飲食店も加盟する。

 「呼子は客の6割が福岡から。今日の朝市にも数えるほどの客しかいなかった」と既に影響を感じており、「『正月までは頑張ろう』と声を掛け合っていたが、これでは結構廃業に追い込まれるのではないか」と不安げだった。

 隣県での再発令だけに、福岡県内で働く人が多い鳥栖市や三養基郡でも戸惑いが広がった。福岡市内で衣料品店を経営する40代男性=鳥栖市=は客足が徐々に戻っていたタイミングだけに「お客は確実に減る。経済を止めてしまうのは違うのではないか」と不満を募らせる。

 男性の周辺では飲食店をはじめコロナ禍の影響で店をたたむという話が後を絶たず、「宣言で消費マインドが再び冷え込むのが怖い」と話した。(大橋諒、瀬戸健太郎)

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