小学生の頃、あんなにうれしかった積雪を、いつから「厄介」と思うようになったのだろう。九州ではめったに雪が積もらず、一面の銀世界は「非日常」。大人になるにつれ、それを楽しむ純粋さを失ってしまったようだ。先週からの寒波が少し緩んだものの、県内も山地や日陰にはまだ雪が残る。豪雪に見舞われた北陸では立ち往生する車が相次いだ◆救出に向かったのが自衛隊だ。近年、大規模災害が頻発し、自衛隊の出番が増えている。昨年7月の豪雨では熊本県や大分県に隊員の姿があった。コロナ禍で看護師が不足した昨年は北海道や大阪府から看護官の派遣も要請された。こうした事態に先月、国会議員の一人が「自衛隊は便利屋ではない」と発言した◆そんなふうに思う人はいないはず。くじけそうな時に現れるスーパーマンのような存在だ。お笑いタレントのカズレーザーさんは自衛隊がとても好きで、体験入隊もしている。テレビ番組で自衛隊学校の若者にこんなことを言っていた◆「皆さんが一滴汗を流せば誰かが流す涙が一滴減る」。地道な訓練で有事に備える役割とは別に、被災地で汗を流す隊員に助けられ、勇気づけられた人は多いだろう◆とはいえ、自衛隊は最後のとりで。ちょっとした備えを心がけ、被災した時は互いに支え合う。そんな努力もきっと、涙を減らす。(義)

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