多久聖廟の史蹟指定記念碑(1924年建立)

 明治維新以降、急激な近代化によって、鉄道や工場など、大規模な土地開発が盛んに行われるようになりました。それに伴い、歴史的な建造物や史跡、貴重な自然が破壊されることが少なくなかったため、1919(大正8)年、「史蹟名勝天然紀念物保存法」が制定されました。1921年に多久聖廟は史蹟に指定され、今年は100年目という節目の年です。

 多久聖廟は明治になって旧領主多久家の庇護(ひご)を失い、暴風雨にあって石門が倒壊するなど荒廃していました。そこで寄付を募り、1907年から2年にわたって、礎石、礎盤を取り替え、屋根を銅板葺きに改めるなどの大改修が行われます。

 史蹟指定の後、1933年には「国宝保存法」により国宝に指定されました。1950(昭和25)年、「文化財保護法」の制定により国宝から重要文化財となります。

 その後、雨漏りやシロアリの害が発生したことから、1987年から4年間かけて大修理が行われました。工事中、境内の樹木を移植する穴を掘っていた時に鬼瓦が発見され、もともと屋根が瓦葺きだった証拠となり、瓦葺きに葺き替えられました。

 史蹟指定から100年、多久聖廟は創建当初の姿を取り戻し、今も多久のシンボルであり続けています。

 多久市郷土資料館では、15日から4月4日まで、「多久聖廟史蹟指定100年」展を開催します。ぜひご来館ください。(志佐喜栄・多久市郷土資料館)

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